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中川正子トークショウと展覧会報告


写真集に使用したオリジナルプリントでの初の展示となった今回の写真展。
額で見せるというのも初めてとのこと。額やマットの加工はalbusとの共同製作。
写真集にページナンバーがついてないことや、写真のサイズを変えず単調なリズムで
見せているのは、どれも優劣をつけず、1つ1つの生命に丁寧に向き合う
中川正子さんの姿勢そのもの。そして、どんな状況も独りよがりにならず、
自然の流れに身を任せながら、その場にいる皆で環境をつくりあげていくという展示は、
見ている側も写真が展示されている空間に一体となって、さらにその場が自分を包み込んで
くれているような感覚にもなっていく。


子どもが産まれ、東京から岡山へ引越され、価値観ががらりと変わったという中川さん。
地方で生きるとはどういうことかというのを考え続けているそう。
そもそも地方?と呼ばれ続けている福岡の暮らしを充実したものにしていくには、
自らがどういう動きをしていけばよいか、そんなことを考えながらトークショウが進んでいた。


帰り際、中川さんが「岡山で場をつくってみたいな」とぽろりと口にしたのが聞こえた。
素直に「行きたい!」と心の中で思いつつ、たぶんすぐにでも生まれるような
気がして期待で胸が膨らんでいる。

text : 酒井咲帆(albus)