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interview with 高山啓太・横山洋平

デザイニングガイドマップからのスピンオフ企画として、紙面上では伝えきれなかった街や場所の魅力を、デザイニング展サポータースタッフがそれぞれのまちの紹介者にインタビューに伺いました。まちの紹介ページと合わせてお楽しみください。


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「お客さんとの距離を大切にする」

 interview with 高山啓太(PLASE.STORE店主)・横山洋平(webディレクター・デザイナー)

福岡市城南区の鳥飼という、住みやすい街の中にある文房具のセレクトショップ、PLASE.STORE。日々の暮らし、学校や仕事を楽しくさせるような文房具を取り扱っている店主の高山啓太さんと、友人でもあり鳥飼在住のwebデザイナー横山洋平さんにインタビューさせて頂いた。お店が開いてからはお客さんも来られ、穏やかな雰囲気の中、様々な話を聞かせて頂いた。

取材:木下寛徳(デザイニング展サポータースタッフ)撮影:石井 勇
以下_ 高山啓太:高山 横山洋平:横山 Designing?:D


D どうして文房具のセレクトショップを鳥飼という街でしようと思ったのですか。

高山 鳥飼に来たのは正直直感です(笑)天神にも自転車ですぐ行けるし、地下鉄七隈線 やバス停も近くにあったのもポイントだったかもしれません。近くに初めて珈琲を飲めるようになったトモノウコーヒーさんが同じ通りにあったのも心強かったですね。なぜ文房具であるのかというと、小さい頃から文房具が好きだったからですね。文房具はお小遣いと別で買ってもらえたりして、子供ながらに自分の個性を出せる魅力的なものだったと思います。お店をやるんだったらそんな手軽でワクワクできる文房具屋にしたいと思いました。

11 ー 国内外からセレクトされた文房具が所狭しと並んでいるPLASE.STORE店内。文房具の面白さを再発見させてくれるような場所だ ー


D 横山さんがwebデザイナーの仕事を始めたきっかけはどういったことからだったのでしょうか。

横山 飲食のアルバイトを学生の時にしていた時のことです。スペイン料理のお店で働いていて、そのことがきっかけでヨーロッパへ旅行に行ったんです。そしたら現地の広告にすごく惹かれたんですね。それで最初は広告に興味を持ちました。それから、全く別の建築やインテリアの仕事をしていたのですが、やはりグラフィックやwebの仕事をしてみたいと思い、それから色々と調べました。ちょうどその時にやっていた仕事でもグラフィックの基本的な操作は扱っていましたので、さらに独学で勉強をして今のwebデザイナーという仕事に就くことになりました。

17 ー 横山さんの事務所は、PLASE.STOREから歩いてすぐ、ひらけた空間が気持ちいい公園沿いというとても素敵な場所にある ー


D 高山さんに質問なのですがこのお店のいいと思うところはありますか。

高山 お客さんとの距離が近いことです。それと、このお店は幅広い層のお客様が来られるんです。近所の子供達がよく遊びに来てくれて中には一時間くらい熱心に欲しいものを探している子もいますね。大人から子供までみんなが入り混じって楽しめるような『文房具のバス停』のようになると嬉しいですね。

D 続いて横山さんに。今なされているwebのお仕事をしていてよかったと思うことをお聞かせください。

横山 それはいい反応をもらったときです。Webっていうのものはリンク先を開いて頂ければすぐに閲覧できる仕組みになっているので反応がすごくダイレクトに伝わってきます。大変やりがいのある仕事だと思っています。また、紙にはない魅力というのもありますね。形には残らないものだからこそ続けないと意味がないですが、比較的それ自体で仕事が完結してしまいやすい紙の仕事とは違って、継続してメンテナンスが必要になりますし、そこから付き合いが深まるのはいいところですね。

D この街についての質問ですが、鳥飼エリアに来られたときの印象を教えてください。

高山 家族層が多いことですね。このお店にもかなりの頻度で「最近引っ越してきた。」という家族連れのお客様が来られるくらいです。関東からこの街に訪れるお客様も多いみたいでそれだけこの街が住みやすいってことですよね。

横山 僕は以前からこの鳥飼に住んでいて長い間この街を見てきました。最初に始めた仕事もこの鳥飼でした。最近は新しいマンションの開発が進んできていてこの街が変わっていくのがわかります。鳥飼は本当に住みやすい街だと思っています。新しい部分と古くからの街並みを大切にしていけたらと思っていますね。

20 ー PLASE.STOREの近所にあるたこ焼き屋さん この街には、昔からお店を構えている独特で趣のある空間が多いという ー


D お二人はこれからそんな印象を持つこの鳥飼をどのようにしていきたいですか。

高山 僕はこの街にもっと若い層の方に来てもらいたいと考えていますね。このお店にももっと大学生や20代の若い方に来てもらえるようにして行きたいですね。もっと洋服屋や本屋、パン屋などができると良いきっかけになるのではと思います。

10 ー 入り口入ってすぐの場所にあるカウンターではいつも笑顔のたえない店主の高山さんが迎えてくれる 左:横山洋平さん 右:高山啓太さん ー


D では、デザイニング展このエリアに訪れる方におすすめのお食事はありますか。

横山 たくさんありますよ。この近くにある「和助」っていうお店はお昼時並びますね。あと「はなれんこん」っていう魚屋さんになりますけど海鮮料理がすごく美味しいですよ。あと、六本松まで行けば「にい好!朋友」というお店があって美味しいですし、その付近にはたくさんお店があるのでぜひ足をお運びください。

D デザイニング展にて展示・販売されるtempoのモビールについて少し話を聞かせて下さい。

高山 Tempoは元々取引をさせて頂いていたブランドの呼び掛けで生まれたモビールブランドです。参加する6組のデザイナーの考える、重量やバランスに対する解答であり、空間と時間にアプローチした新しいプロダクトです。ひとつひとつ丁寧な手作業で組み立てられています。そのどれもが魅力的なので、今回展示を行うことにしました。

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D それでは、最後に10年後この街はどうなっていると思いますか。

高山 新旧が良い具合に混ざり合ってもっと魅力的な街になっていると思いますよ。その中で、何かしらやっていけたらと思います。何気なくこうやってお店やっているだけでも流れって本当に変わっていくんですよね。自然にいい街になっていくのではないかな、とは思いますね。

横山 今の雰囲気を大切にしたいと考えています。最近六本松でも再開発がなされていて商業施設もこれからできるかもしれませんし、開発されることが嫌というわけではないですがそういった影響で大きなお店が出来た時に、この街並みや小さな商店がどうなるかですよね。そういった今の雰囲気を残しつつ、ベタですけども、もうちょっと活気がある街になっているといいなと思います。その可能性はありますしね。

高山 あと、距離ですけど鳥飼って遠くないんですよね。天神からだと平尾や高宮くらいの距離で、自転車で10分、20分ほどで来ることができる距離なんですよね。それを皆さんに認識していただきたいですね。

横山 中心部から近いっていうことをぜひ覚えていてもらいたいです。

19 ー 商業施設の開発も予定されている九州大学六本松キャンパス跡地。これからこの街はどう変わっていくのだろうか ー


FUKUOKA AREA MAP | D. 六本松・鳥飼エリア
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